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つまらないMLBドラフト

一昨日のNBAに続き、昨日は細々とNHLのドラフトが行われた。

NBAドラフトでは、大方の予想通り、クリッパーズがオクラホマ大のブレイク・グリフィンを全体一位で指名。今年のドラフトは、スペイン代表、18歳のリッキー・ルビオを筆頭にポイントガードはタレントが豊富だったが、それ以外はイマイチという印象だった。

それでも会場では、デイビッド・スターン・コミッショナーが指名された選手の名前を読み上げる度にファンからブーイングや歓声が上がり、盛り上がりを見せていた。NBA好きの同僚もテレビの前に張り付き、途中に入るトレード速報を聞きながら一喜一憂していた。

NBAやNFLのドラフトは、会場に主な選手達が集まって全米生中継される中、お祭りのような雰囲気を帯びる。大学スポーツファンにとっては、自分の応援する大学の選手がどこに行くのか気になるし、プロスポーツファンにとっては応援するチームが誰を獲得するかで勢力図が大きく変わってくる。バスケットボールやフットボールにとって、ドラフトはまさに運命の一日なのだ。

その人気をまねようと、野球のメジャーリーグも2007年に初めてドラフトのテレビ生中継を行った。その年、テネシー大の選手が一巡目で3人指名されるという快挙を達成したので、ボクは個人的には楽しむことができたが、注目度という点ではNBAやNFLには到底及ばなかった。

残念ながら野球はバスケットボールやフットボールと違って、ファンがドラフトを楽しめる要素が少ない。日本では高校や大学で注目を集めた選手がすぐにプロで活躍するということも珍しくはないが、メジャーリーグではどんなに期待される選手でも数年間はマイナーリーグで経験を積まなくては活躍できない。上位指名選手がすぐにチームにインパクトを与えることができないため、数年経ってメジャーに上がってもドラフトは単なる過去の話となってしまう。

それに野球はバスケットボールやフットボールに比べて、選手の将来が予想しづらい。最初の10巡目くらいまでに指名されるような選手であっても、メジャーリーグにたどりつけるのは30パーセントくらいの確率であるという。それ以降に指名される1500人もの選手の間では、それが5パーセントほどに落ち込む。野球のドラフトでは失敗のほうが成功よりも圧倒的に多いのである。

それに対してバスケットボールでは、ドラフトの上位で指名されるような選手は、ケビン・デュラントやデレック・ローズのように一年目からチームを牽引する活躍を見せることもある。まして一度もプロの試合を経験しないというようなことはほとんどない。ファンとしては、大学やヨーロッパでスターだった選手が、一年目にNBAでどんな働きを見せるのか、ドラフトの日から待ち遠しく感じることができる。

そして何より、大学バスケットボールや大学フットボールに比べて、米国では高校野球や大学野球の人気が圧倒的に低い。コアな野球ファンでない限り、ドラフト候補選手を誰一人として知らないというのが普通である。甲子園のような高校全国大会は米国には存在しないし、カレッジ・ワールド・シリーズ(全米大学野球選手権)も未だマイナーな大会。今年こそ全体一位で指名されたスティーブン・ストラスバーグが注目を集めたが(サンディエゴ州立大出身の彼は、160キロの豪速球をバンバン投げる怪物)、それ以外は「あんた誰?」の世界である。そんなドラフトを見ても楽しいわけがない。

悲しいが、米国野球のドラフトはお祭りには成り得ないのである。
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theme : MLB
genre : スポーツ

tag : ドラフト メジャーリーグ MLB NBA NFL NHL スティーブン・ストラスバーグ

コンフェデ杯準決勝:米国、無敵艦隊撃破

FIFAコンフェデレーションズ杯の準決勝で、世界ランキング14位の米国が、一位のスペインを2-0で破り、決勝進出を決めた。

この2006年以来の敗北で、スペインは国際Aマッチ15連勝、同無敗記録35試合がストップ。その一方、米国は1916年に加入して以来、初のFIFA大会決勝進出となる。

スター軍団で臨むバスケットボールや野球と違い、米国のサッカー代表チームは突出したスターがいない。スペイン相手にも、堅い守りと確実なボールコントロールやパスで少ないチャンスをものにして勝利を収めた。日本代表としても参考できる部分があったように思う。

この快挙を、テレビ放映を行っていたESPNだけでなく、Yahoo! Sportsとスポーツイラストレイテッドもウェブサイトでトップニュースとして扱った。これはサッカーとしては異例の扱いである。うちの新聞も、他に大きなニュースがなかったので一面で取り上げた。

ニューヨークタイムズは、記事の見出しに"Miracle on Grass(芝上の奇跡)"という表現を用いた。1980年のレークプラシッド五輪で、大学生を中心に構成された米国ホッケー代表チームが、最強と言われたロシアを下したことを"Miracle on Ice(氷上の奇跡)"と呼んでいることになぞらえたものだ(これは映画にもなっている)。米国スポーツ史上最大の番狂わせとして名高いMiracle on Iceと比較されるくらいだから、この勝利が国民に与えるであろう影響は計り知れない。

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サッカーは米国では未だマイナースポーツの域を脱するに至っていない。男子チームは、1930年の第一回ワールドカップでは準決勝進出、1994年にはワールドカップの開催国となり、2002年のワールドカップではベスト8まで進んだにも関わらず、国内では日の目を見ることはなかった。サッカーを女子スポーツだと見下す人も多い。

何でも一番じゃなきゃ意味がないと考える国民気質や、根強く残る反ヨーロッパ主義など、サッカーが米国で根付かない理由は色々と考えられる。これまでにも、ワールドカップ開催やMLS発足、ベッカムのロサンゼルス・ギャラクシー移籍など、サッカー地位向上のきっかけになるのではないかと期待されることはあったものの、どれも流行で終わってしまっていた。

もしかしたら今回のコンフェデ杯がそれを変えるきっかけになるかもしれない。ナンバーワンを求める米国人にとって、何より世界一位のスペインを破ったというのが大きい。しかも、先週末までグループ突破すら危ぶまれていたというドラマまでついている。ワールドカップの前哨戦といわれるコンフェデ杯で優勝すれば、来年のワールドカップに向けて注目度にいっきに火がつく可能性がある。

スペイン戦がまぐれでないことを国民に証明し、歴史的勝利として後世に伝えられるかは、全て日曜日の決勝にかかっているといってもいい。米国サッカーにとって運命の一日になるかもしれない。

theme : FIFAワールドカップ
genre : スポーツ

tag : コンフェデ杯 コンフェデレーションズ杯 サッカー 米国 ミラクル スペイン

テレビ中継のないシャンパンファイト

マリナーズのシングルA球団、ハイデザート・マーベリックスが前半戦の地区優勝を果たした。ホーム最終戦で決めた優勝だったので、ボクもその瞬間に立ち会うこととなった。

試合後のクラブハウスに入ると、既に狭いロッカールームの中で、賑やかなシャンパンファイトが始まっていた。バケツいっぱいの酒をかけられている選手や、上半身裸で踊りを披露している者。メジャーリーグのように、テレビ中継や記者が何十人も詰めかけるということはないが、選手やコーチ陣、スタッフが一丸となって優勝を喜ぶ姿はどのレベルでも変わらない。

プロ野球選手にとって、マイナーリーグというのは、メジャーリーグに上がるためのステップに過ぎない。しかしほとんどの選手は、メジャーという夢の舞台に立つことなく、選手生命を終えてゆく。これが人生で最後のシャンパンファイトになるかもしれないということだ。

マリナーズが2007年のドラフトで一順目に指名したフィリップ・オーモント投手。カナダのケベック州出身の彼は、マーベリックスの中でもメジャーに上がることを確実視される選手の一人である。優勝の瞬間にクローザーとしてマウンドにいた彼は、「これまでの人生で最高の瞬間だったよ。前半戦をともに戦ったチームメイトが全員フィールドに飛び出して優勝を祝う。最高の気分だよ」とゴーグルをつけて笑顔で話した。

マイナーリーガーたちにとっては、たとえチームメイトといえど、周りの選手はみんなメジャーの枠を争うライバルである。個人の成績が一番で、チームの優勝など関係ないという選手がいても不思議ではない。なのにどの選手に聞いても、このチームで優勝できたことが一番嬉しいと口をそろえる。数億円もの賞金をかけて争っている選手達が、いつのまにか一つの運命共同体としての意識を持つようになったのである。

いつもはインタビューでもそっけない監督が、ロッカールームの後ろの方でビールを片手に、楽しそうに選手の喜ぶ姿を眺めていた。以前は自分もこの若い選手達のように、メジャーリーグを夢見て必死にプレイをしていた。わずか数百人のファンの前で試合をして、長距離を窮屈なバスで移動。汚いロッカールームでチームメイトたちとジョークを交わす夜。勝利にはしゃぐ彼らの姿を見て、当時を思い出していたのかもしれない。

インタビュー中に頭からビールをかけられた後、酒臭い体のまま記事を書き終え、ファンのいなくなった暗いスタジアムの通路を歩いていると、球団の運営スタッフが些細な優勝祝賀会を開いていた。帰ろうとするボクを見つけたジェネラルマネージャーのティムが、ビールを片手に近づいてきて、「前半戦を取材してくれてありがとう」と笑顔で声をかけてきた。

市の財政難でチームが存続危機に直面しているマーベリックスにとって、この優勝は数少ない朗報の一つである。ボクは「おめでとう、ボクも楽しかったよ」と返した。

ゲートを出て車に歩いていくボクの後ろ姿に、「後半戦もよろしく」とティムが一言。ボクは思わず笑顔を浮かべ、心の中で「もちろんだよ」とつぶやいた。

theme : MLB
genre : スポーツ

tag : ハイデザート マーベリックス マイナーリーグ メジャーリーグ

WBC決勝戦:もう一つの戦い

日本中を興奮の渦に巻き込んだ(とネット上の盛り上がりからは想像される)ワールド・ベースボール・クラシック決勝戦。

偶然にも昨日は内勤で、スポーツ欄一面のレイアウトを担当していました。当然WBCは表紙にでかでかと載せるものかと思いきや、同僚に相談したところ、アメリカ代表じゃないし、中でいいんじゃないのという冷めた反応。

それでこそアメリカで関心の薄いこの大会。自国が残ってないとくれば、しょうがないことでもありますが、WBCの将来にわずかながらでも貢献しようと、一面扱いを押し通しました。

試合開始の6時半からテレビをつけ、緊迫した試合展開でなかなか仕事にも集中できません。先発の岩隈投手が、7回2/3を97球、4安打2失点の好投を見せ、試合は佳境へ。

しかし、何とそこで、同僚が母校が出場しているバスケットボールの試合を見るんだと、チャンネルを変えてしまいます。いい年の男同士が、チャンネル争いをするのも恥ずかしいので、仕方なく合間を見ながら二つの試合を行ったり来たりを繰り返していました。しかも電話が舞い込み始め、大事な試合に集中できません(まあ本来仕事が優先されるべきなのですが)。

WBCは9回に突入し、日本がリードしたまま、メジャーも注目する抑えの切り札ダルビッシュがマウンドに。この時点で締切りまで40分。まあこのまま日本が勝てば間に合うだろくらいに、軽く考えていました。ところがどっこい、ダルビッシュが9回2死でまさかの同点打を許してしまいます。

つい最近、社主から締切りを守るよう、厳しく言い渡された後だけに、ランス・アームストロングの怪我の記事への差し替えを考え始めました。すると10回表に、ツーアウト二・三塁で打者はイチローという、絵に描いたような場面が訪れます。

おそらく、この時間にテレビでWBCを見るため起きているアメリカ人は、1パーセントもいないかもしれません。ここで打ってくれないと、WBC、そしてアジアのベースボールをアメリカ(といっても10万人程度の読者ですが)に広めようというボクの努力が、全て無駄になってしまいます。

祈るような気持ちで画面を見つめる中、やってくれましたイチロー。甘く入ったチェンジアップを、綺麗にセンター返し。勝ち越しのランナー二人が生還し、その裏にはダルビッシュがきっちり抑えてくれました。

AP通信が驚くような速さで、記事と写真を配信してくれたため、締切りとほぼ同時に、何とかページを入稿することができました。東海岸などでは、夜中の1時半過ぎに試合が終わったことになるため、うちはアメリカでWBCの記事を一面に載せた数少ない新聞だったんじゃないでしょうか。ギリギリまで待ったかいもあって、日本の知名度アップに、わずかながら貢献できた(?)喜びがありました。

WBCFront.jpg

それにしても、ベースボールがAmerica's game(アメリカのスポーツ)やnational pastime(国民的娯楽)であると謳うアメリカ人。WBCの米国内での盛り上がりを見ていると、それが空虚に聞こえてしまいます。メジャーリーグの実力はともかくとして、自国開催でも全く国民の注目を得られないようなMLBや選手会の運営にはクビをかしげざるをえません。一国のプロリーグが主導権を握る大会運営に限界を見たような気がします。

theme : WBC
genre : スポーツ

tag : WBC ワールド・ベースボール・クラシック 新聞 イチロー ダルビッシュ

WBC熱の日米差

ワールド・ベースボール・クラシックもついに準決勝。日曜日には、日本対アメリカという好カードが待っています。

その舞台となるロサンゼルス周辺に住んでいるため、日本の家族や友達から連絡が来る度、大会を取材しないのかと聞かれます。

残念ながら、親会社が人員・経費削減を進める中、うちのような小さな新聞社には、そんな余裕はありません。AP通信の配信する記事を使います。ましてや、何十人もの記者が詰めかける大会。たかが2、3日取材しただけで、他で読めないような記事を書くのは簡単ではありません。

そして何より、WBCは読者からの需要が低いという現実があります。日本での熱狂的な盛り上がりを考えると理解しがたいかもしれませんが、アメリカ人のWBCに対する見方は非常に冷めています。

March Madness(三月の狂乱)と呼ばれる、全米大学バスケットボール選手権大会の陰に隠れ、野球ファンの間以外では、アメリカ戦ですらほとんど話題に上がることはありません。

テレビ視聴率は前回大会に比べて上がったものの、一次ラウンドで平均1.3パーセント。アメリカ戦でも2パーセントに届きませんでした。日本で韓国戦の視聴率が40パーセント近かったのと比べると、天と地の差です。

メディアもアメリカチームの活躍を取り上げるというよりは、日本との人気の差、メジャーリーガーの出場辞退や続出する怪我人など、否定的な報道が目立ちます。

「この状況だと誰も得をしない。中には、ただ選手達に戻ってきてほしいとだけ願う監督もいるが、私もそう感じる一人だ。私は(メジャー)開幕までに、選手達には一緒に時間を過ごしてもらいたい」

こう話すのは、主力選手5人が準決勝に参加するデトロイト・タイガースのリーランド監督。選手一人一人に数億もの給料を払っているチームとしては、シーズン前に選手が調子を崩したり、ケガをしたりする事態を避けたいと考えます。

この時期にロサンゼルスにいられて幸せだと思う人もいるかもしれませんが、日本で熱狂的なファンたちに囲まれて楽しみたかったというのが本音です。

theme : WBC
genre : スポーツ

tag : WBC ワールド・ベースボール・クラシック 日本 アメリカ ロサンゼルス 視聴率

プロフィール

TomoyaS

Author:TomoyaS
アメリカ生まれ、日本育ち。日本で大学を卒業した後、アメリカの大学院でスポーツ学の修士課程を修了。現在はカリフォルニアの新聞社でスポーツライターとして活動中。

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