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プロのこだわり

書くことを職業としてしているので、文房具には若干のこだわりを持つようになりました。でもアメリカでは、日本のように細部までこだわって作られた文房具を手に入れるのが難しいことに気付きます。

日本人はペンやメモ帳などにこだわりを持つ人が多いけれど、アメリカ人はそこらへんに置いてあるペンと紙切れを平気で使います。日本人がデザインや触り心地などの感覚的な快感を重視する一方、アメリカ人は書ければいいという効率性に目を向けているからでしょう。

日本ではエグゼキュティブだけでなく、一般のサラリーマンのカバンの中身を見ても、こだわりのブランド品が綺麗に整理されて入っています。思えばボクも小学生の頃から、教室にある机の道具箱に、お気に入りの筆箱やノートなどを入れ、綺麗に整頓していました。

一方、アメリカには、できるかぎり荷物を少なくしようとしていたり、巨大なカバンに乱雑にものが詰め込まれていたりというビジネスマンがたくさんいるような印象を受けます。

ボクがよく訪れるサイトに、男のこだわりグッズサイトステーショナリーガイドがありますが、アメリカ人がこうしたサイトを見ている姿はあまり想像できません。

また、道具に関する文化の違いは、スポーツの世界にも表れます。日本のアスリートは道具に執拗なほどこだわりを持ちます。イチロー選手がその典型です。他人のバットは絶対使わない、グラブやスパイクにミリ単位、グラム単位でこだわるという話を聞きます。

それに対して、田口壮選手が以前ブログに書いていましたが、アメリカ人選手が自分のバットが折れた時など、他の選手のバットを平気で使うのに驚いたそうです。ボクもアメリカ人選手が、平気でグローブやスパイクをほっぽり出している光景をよく目にします。

果たして道具にこだわるのがプロなのか、それとも道具にこだわらず結果を出せるのがプロなのか。文化によってその見方は変わるのかもしれません。
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theme : アメリカ生活
genre : 海外情報

tag : アメリカ 道具 イチロー 田口 日本 こだわり 文房具 スポーツ グローブ バット

ふるさと

最後に日本に一時帰国してから一年半。最近になって、アメリカに住み始めた当初とは違う感覚を抱くようになりました。

日本に触れていたい

これまでは、あまりそうした感覚を抱くことはありませんでした。留学生や駐在員の方が、頻繁に日本食を食べにでかけたり、わざわざ日本のテレビ番組を取り寄せたりするのを見て、不思議に思っていました。

また、アメリカに移民をしてきた人々が、どうして同じ民族で集まってコミュニティを形成したり、ふるさとの文化を異国の地に来てまで実践し続けようとするのか、いまいち理解できませんでした。郷に入っては郷に従うべき、そう思っていました。

正直、そうした人々を見下していたこともあるかもしれません。自国の文化にしがみつくのは、言葉ができないからではないか、異文化に適応する勇気や柔軟性がないからではないかと。

でもそんな考えが変わってきました。アメリカに長く住んで、言葉や生活に不自由がなくなってきたはずの自分が、なぜか逆に日本に恋しさを感じ始めたからです。

周りに日本人やアジア人がいない今の環境。仕事でもプライベートでも使うのは英語のみです(スペイン語が耳に入ってくることもありますが)。英語で取材をし、英語で記事を執筆。日々の情報は英字新聞。キャリアアップのための勉強も英語。だから日本語を話したくてうずうずしてきます。

また、日本にいた時は、洋楽や韓国ポップを好んで聴いていましたが、今ではむしろ日本の音楽をすすんで聴くようになりました。耳にしていると、日本の街中を歩いている気分になれます。それぞれの曲に込められた、日本の雰囲気や想い出に浸ることができるのです。今やiTuneのお気に入りリストの四分の三くらいは邦楽です。

アメリカにはかれこれ計7年近く暮らしていることになります。その期間、アメリカ人と共同生活をし、アメリカの大学院を卒業し、アメリカ人相手に授業を教え、アメリカ人だけの職場で働いてきました。どれも楽しい想い出ばかりです。

それでも、英語ができるようになればなるほど、アメリカの文化に溶け込もうとすればするほど、そこにはない日本の文化が恋しくなってくるのです。どんなに慣れ親しもうと、アメリカは生まれ育った地ではありません。

東京の人ごみと無機質なビル、新宿の居酒屋やバーでベロベロになって乗る満員電車、郊外ののどかな住宅街を自転車で散策する休日。どんなにゴミゴミしていようと、閉鎖的であろうと、そこで過ごした感覚は、心の奥深くに生きる糧となって染みついています

人には帰る場所が必要ということなのでしょう。

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theme : 海外生活
genre : 海外情報

tag : 故郷 アメリカ 日本 文化 言葉

スポーツ記者になるには

新聞に掲載する顔写真を撮影するためにオフィスにやって来た高校生に訊かれました。

「どうすればスポーツ記者になれるの?」


突然の質問にボクもどう回答していいのか分からず、「大学に行ってしっかり勉強したほうがいいよ」などと適当な返事しかできませんでした。

ボクはこれまでスポーツ記者になろうと心に決めて歩んできたというよりは、単に楽しいという思いだけで取材をして記事を書いたり、写真を撮ったりしているうちに今の仕事にたどり着いたという感じなので、あまり深く考えたことがなかったのかもしれません。

でもアメリカにも日本と同じように、就職活動やキャリアアップのノウハウが存在します。

以前、日本の新聞社に就職した友達とメールでやり取りをしていて、日米のキャリア・システムの違いを感じました。

彼は働き始めてから初めの数ヶ月を、企業理念や新聞業界の仕組み、取材方法を学ぶ研修に費やしたといいます。一時は販売店に住み込んで実習を行ったそうで、その徹底ぶりに驚きました。ボクもそれだけのトレーニングを受けられたら嬉しいのですが、残念ながら不況のアメリカ新聞業界ではそんな贅沢は到底望めそうにありません。

しかし、何より大きく違うのが、アメリカには新卒という概念がないということ。日本の企業社会は、大学を卒業したての労働力を新卒と呼び、彼らを一斉に大量雇用し、まっさらな状態から経営者へと育てていく制度ができあがっています。

アメリカの企業にはそうしたシステムは存在せず、むしろ大学を卒業したばかりの職務経験に欠ける若者は、なかなか仕事が見つからず苦労することがあります。だから学生たちは、就職に有利になるようにと、大学もしくは高校時代から積極的に実務経験を積もうとするのです。

例えば、新聞記者になりたいという目標を持った学生は、大学でジャーナリズムやコミュニケーションを専攻し、授業で業界の仕組みやジャーナリズム論、取材の基本などを勉強します。それに加え、現場での経験を得るため、学生新聞で働いたり、地元の新聞社などでインターンをこなします。

日本でもようやく普及してきたインターン制度ですが、アメリカでは大学のカリキュラムに組み込まれるほどに発展しています。学生にとっては、実務経験を得ると同時に、仕事へのやる気や適性を見極める大切な期間です。うちのような小さい新聞社でも、しょっちゅうインターンの学生が出入りします。

そのため、新聞社も仕事の基本を身に付けた即戦力しか雇おうとはしません。ボクは大学院の2年目に記者を志したため、インターンはもちろんのこと、ジャーナリズムの授業すらほとんどととることができませんでしたが、独学で基本を学び、学生新聞で辛抱強く働き続けた実績をもとに雇ってもらうことができました。

そして大学を卒業したばかりの記者は、まずは田舎の小さな新聞社で働き、更なる経験を積んでから徐々に大きな新聞社へと移っていくのが一般的なキャリアとなります。だから、転職は当たり前というか、一社でしか働いたことのない記者にはあまり会ったことがありません。

こうして書いてみると、ボクは決して王道を歩いているとは言えませんが、それでも大学院生だったボクに、記者という新たな道を歩ませてくれたアメリカ社会の柔軟さには感謝しています。きっと日本にいたらありえなかったことです。

年齢や肌の色に関わらず、誰もが成功するチャンスを与えられるというアメリカン・ドリーム。もちろん現実はそんなに甘くありませんが、その息吹は確実に感じることができます。

theme : 海外で働く
genre : 就職・お仕事

tag : アメリカ 記者 日本 新卒 キャリア 大学 学生

MVPは誰?

この1週間ほど仕事がたてこんでいます。高校スポーツの春シーズンが終わり、うちの新聞が各スポーツの地元優秀選手を選出する作業を行っているからです。

以前も書きましたが、三年間を通じて同じ部活動に所属するのが当たり前の日本とは異なり、アメリカの高校スポーツはシーズン制です。南カリフォルニアでは、秋はフットボールやバレーボール、冬はバスケットボールにサッカー、そして春は野球や陸上というように活動期間が分かれていて、生徒たちは一年を通じて数種類の部活動に所属します。

そしてシーズンが終わる毎に、うちのスポーツ局が、各スポーツの最優秀選手と優秀選手たちを選び、表彰しています。でも、これが思った以上に大変な作業なのです。

プロ野球やメジャーリーグ、NBAでも、ベストナインやMVP(最優秀選手賞)などが発表されます。そうしたプロ組織では、番記者の投票によって選出が行われます。獲得票数の多い選手が選ばれるのですから、ある意味公平です。記者たちはテレビやスタジアムでほとんどの試合を観戦することができる上、細かいチームや個人の成績も簡単に手に入ります。

しかし、うちの場合は、一人一人の記者が責任を持って、20近くある高校のアスリートたちから選ばなくてはなりません。全ての責任は、各スポーツの担当となった記者にのしかかります。この春ボクは男子テニスとソフトボールの担当です。

各スポーツの最優秀選手は、スポーツ欄の一面に、でかでかと写真付きの特集記事が掲載されます。メディアへの露出によって大学スカウトの目にとまる可能性もあるので、軽はずみな選択はできません。

もちろん一人の記者が全ての試合を観戦することなど不可能なので、少しでも公平を期すために、まずは各校のコーチに連絡をして、推薦する自チームの選手と他校の選手に対する評価を聞き出します。そこで漏れる選手がいないよう、できる限り多くの個人成績を集めます。プロや大学と違って、成績管理はチームによってまちまち。しっかりスコアをつけている学校もあれば、そうでないところもあります。

フットボールやバスケットボールといった人気スポーツは、高校といえど、専門のウェブサイトに結果を載せているので比較的楽に情報を手に入れることができます。でも、ゴルフやテニスなどはコーチが手書きで残したスコアブックだけが頼りになります。そうして集めた情報を参考に、チーム・個人成績、対戦相手、ポジションといった様々な要素を加味して、選考を進めます。

大変なのは、数字に表れない活躍をいかに考慮するかということ。オフェンスは得点やアシストという数字である程度判断は可能ですが、ディフェンスはあくまで主観的な判断となります。また、ピッチャーと野手では数字自体を比べるのが難しい。松井秀喜と松坂のどっちが上かという質問に対する答えは、判断基準によって大きく変わってきます。

最優秀賞には、各スポーツで一人だけを選ぶため、そうした難問に答えを出さなくてはなりません。

一つだけ確実なのは、誰もが満足するケースは滅多にないということ。タイガー・ウッズのような飛び抜けた存在なら別ですが、力の拮抗した高校生たちですから、必ずどこかに欠点はあります。選ばれなかった選手の親やコーチが、憤って電話をかけてくることもよくあります。だからそれを説得するだけのリサーチをしておかなくてはなりません。

ちなみに男子テニスの最優秀選手には、日本人の秋山君が選ばれました。ハイデザートでは無敗だったので、コーチたちも異議なしの結果です。

とりあえず受賞者たちは決まったので、後は全員の顔写真を撮らなくてはなりません。まだまだ無邪気な高校生。親に携帯を没収されて連絡がつながらなかったり、約束の時間に現れなかったりと苦労は続きますが、それも今週末までなので、もう少しの辛抱です。

theme : 高校スポーツ
genre : スポーツ

tag : アメリカ カリフォルニア 高校 シーズン 優秀 スポーツ 投票 番記者

あれから2年

最近、時が経つのが早くなったと感じるようになりました。

休日、家でのんびりしながらふとカレンダーを見ると、いつの間にか2008年6月であることに気付きます。

カリフォルニアに来て半年。テネシーの大学院に入学して3年。デューク大学への短期留学から帰国して4年。4年といえば大学生活そのものです。

学部生時代、4年間というのはとてつもなく長い時間でした。大学生活が永遠に続くような気さえしていた。それに比べ、この4年間は驚くほどあっという間でした。

デュークでの経験をもとに、大学卒業後、とにかくアメリカにもう一度行きたいという漠然とした思いで大学院進学を決めました。他のみんなとは違った人生を歩いてみたい、そんな気持ちもありました。

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スポーツに関わりたい、アメリカで働きたいとの夢が膨らんだデューク大学での一年間。4年以上前に初めてキャメロン・スタジアムに足を踏み入れた時の写真。

そしてテネシー大に通い始めてからは、怒濤のように時が過ぎていき、気付いたらここにたどり着いていました。思い返すと、自分が今どうしてここにいるのか、自分でも不思議に思うことがあります。

ボクは将来に向けて具体的なプランを立てるということが苦手です。今という一瞬を充実させていけば、おのずと点が線につながるという発想でここまでやってきています。だから3年前にテネシーに着いた時のボクが、カリフォルニアでスポーツ記者をやっている自分など想像できたはずもありません。

ジャーナリズムの世界に触れるようになって、ようやく2年。当初は自分が本当にスポーツ記者になるとは思いもしませんでした。

デュークで目の当たりにしたアメリカのスポーツビジネスの華やかさに魅せられ、テネシー大学院ではスポーツ経営学を専攻。テネシー大学のスポーツマーケティング局で働き、日本の国立競技場の2倍の収容人数を誇るフットボールスタジアムと、さいたまスーパーアリーナ並のバスケットボールアリーナが一つのキャンパスに存在する、アメリカのスケールの大きさに度肝を抜かれたものです。


フットボール試合前の国歌斉唱

にも関わらず、興味は次第にビジネスよりも、授業でとったスポーツ社会学へと移っていきました。これだけスポーツが大きな注目を集めるアメリカ社会にとって、スポーツはどんな意味を持つのか。また、スポーツを通じてどんなアメリカや日本の姿が見えてくるのか。

そんなことを考えていた時期、マーケティングに使えるだろうと、ジャーナリズム科によるデザインの授業をとりました。しかしそのクラスは実際には新聞編集の授業だと判明し、もう少しのところで受講をキャンセルするところでした。

でも担当の先生におだてられ、ボク自身も記者という仕事にちょっとした憧れがあったので、とりあえず残ることにしました。文法や形式といった校正作業は正直苦痛なこともありましたが、実際に自分で新聞をデザインしたり、ニュースレターを作成したりという作業は楽しんでやれました。

その学期が終わり、将来どうするか悩んでいた時、自分に目をかけてくれた元AP通信ブラジル支局長の先生に、学内新聞で記事を書いてみることを勧められました。英語で論文を書くのにさえ苦痛を感じているのに、それを仕事にするなんてと不安もありましたが、迷いを吹っ切るきっかけになるかもと挑戦してみることに。

学内新聞に応募したのが夏だったので、特に取材する試合もなく、編集長は好きな記事を書いていいよとだけ言います。それまで新聞なんてほとんど読んだことがなく、ましてや取材の訓練など受けたことのないボクは途方に暮れました。

でも、インターネットや本で取材の基本だけを確認し、勇気を出して取材許可をとった地元のマイナーリーグの試合に出かけていきました。帰り際、球団のジェネラルマネージャーに年間取材パスをもらった時は、自分が記者になったという気がして、嬉しさが込み上げてきました。

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最初の取材で撮影した写真。初めてのことばかりで興奮の連続。

その時、記事の執筆にかかった時間がなんと10時間。朝が締切りだったので、徹夜で時間ギリギリまで書いていました。

それから2年。今ではそれと同じ長さの記事を1時間、もしくは30分で書き上げることもあります。あのマイナーリーグの球場で、ドキドキしながらインタビューをしていたのがついこの間のように感じますが、それから2年という月日が経っているのです。

これまでは無限にあると思っていた時間。でも、考えてみれば、2年というのは365日が2回だけ。365という数字は、とらえかたによってはすごく少ない。

365円じゃ文庫本も買えません。365ドルはボクの車の保険料。腕立て365回はちょっときついですが、サッカー選手にとってリフティング365回は大した回数じゃありません。

ちょっと分かりにくい例でしたが、要は、これから20年というのは一見長いように思えるけど、気付けばあっという間に過ぎてしまうのではないか、その不安を抱くようになったというだけのことです。

20年後の自分が何をしているか。全く想像がつきません。

theme : 今日のつぶやき。
genre : 日記

tag : 記者 スポーツ デューク テネシー 時間 フットボール バスケットボール

ネコの生態

ボクのアパートの部屋は2階にありますが、そのバルコニーの向かいに木が一本立っています。

今日、帰宅してふと窓の外に目をやると、1匹のネコが器用に爪を木の幹にひっかけて、2階の高さまで登ってきました。大したものだと感心し、枝に座っているかわいいネコの姿を写真におさめようと、カメラを向けました。

光に反射した大きな目をこちらにジロリと向け、「何だ、オイラに何か用か?」とばかりに警戒した表情を返されました。

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そんなネコの様子を観察していて、一つの疑問が湧いてきました。登る時は爪を食い込ませればよいけれど、降りる時はそうはいかないのではないか。その枝からなかなか動かないのは、もしかしたら降りられなくなってしまったからではないか。

少々不安になったボクは、バルコニーのイスに腰掛け、5分ほど様子を見ていましたが、ネコは全く動く様子を見せません。

その枝から地面までおよそ4メートル。人間でも十分に怖い高さです。ましてや体調50センチのネコにとっては、人間にとっての15メートルくらいに相当するはず。

「そうか、つい調子にのって登ってみたのはいいけれど、自分一人では降りられなくなったのか。オレも女の子の前で舞い上がって、バカなことをしてしまったことが幾度もあるよ」などと勝手に同情心を抱き、助けに行くことを決めました。

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夜中の2時過ぎに、アパートのオフィスが開いているはずもないので、はしごを借りることはできません。でも一晩中その枝で過ごさせるのはあまりに不憫。途中で眠りに落ちて転落する可能性もあります。木登りは得意じゃないけど、この際構ってはいられません。

映画「アルマゲドン」で、スペースシャトルに乗り込むブルース・ウィルスのように、意を決して救出に向かいました。

しかし、部屋を出ようとしたその時です。なんとネコはゆっくりと体を起こし、少し下にある細い枝をめがけて飛び降りたではありませんか。

危ないと思ったのはおそらくボクだけ。ネコは見事別の枝に飛び移り、更に下にある枝へと軽快なジャンプを披露しました。そこから地面までおよそ2メートルちょい。もう飛び移る枝はありません。

さすがにギブアップだろうと思いましたが、それでもネコは猛スピードで幹をつたって数歩走り下り、そこから地面へと大ジャンプしたのです。人間ならケガをしないで着地しただけでもびっくりの荒技ですが、ネコは何事もなかったかのように、のんきに歩き去っていきました。

驚きを通り越し、そのしなやかな体使いと、フランス映画「ヤマカシ」真っ青のパフォーマンスに、感動すら覚えてしまいました。

YAMAKASIYAMAKASI
(2004/05/28)
ヤマカシ

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人間の尺度で動物は見てはいけない。そんなことを学んだ10分間でした。

theme : 猫写真
genre : ペット

因縁の対決: NBAファイナル

ライバル関係ほどスポーツを熱くさせるものはありません。日本で言えば、巨人対阪神や朝青龍対白鵬。日本対韓国のカードも大きな注目を集めます。

アメリカでは日本に比べて地元意識が強いため、ライバル関係がプロに限らず、学生スポーツでも見られます。ヤンキースとレッドソックスの対決は日本でも有名ですし、ボクが通っていたテネシー大学やデューク大学もそれぞれライバル校が存在し、学校全体を上げて応援します。

そんなアメリカンスポーツの中で今年注目を集めているのが、ロサンゼルス・レイカーズボストン・セルティックスのNBAファイナル(優勝決定戦)。この2チームはNBAが設立されて以来、常にリーグの中心的存在を担ってきました。

両チーム合わせて30の優勝を誇り、決勝戦での直接対決も11回と、まさに名門中の名門。東海岸に面するボストンと、西海岸を代表する都市ロサンゼルスの対決となれば、ファンのライバル意識も最高潮に達します。

特に、セルティックスのラリー・バードとレイカーズのマジック・ジョンソンが熱戦を繰り広げた1980年代は、NBAがメジャースポーツへと上り詰めた時期でもありました。

バードとジョンソンが引退した90年代初頭以降は、他チームの台頭やセルティックスの低迷も影響し、この二つのチームが決勝戦で会うこともなくなりました。しかし、古くからのバスケットボールファンにとって、レイカーズとセルティックスのライバル関係はNBAの歴史そのものです。

そして2007-08年シーズン、大掛かりな戦力補強によってかつての輝きを取り戻したレイカーズとセルティックスが、それぞれの地区で優勝を果たし、決勝でぶつかることになりました。1987年以来のことです。

レイカーズには今シーズン初めてMVPを獲得したコービー・ブライアント、セルティックスにはミネソタから移籍したリーグ屈指のオールラウンド・フォワード、ケビン・ガーネットと、スター選手にもことかきません。

ファンだけでなく、人気低迷に苦しむNBAが待ちに待った好カードが実現したとあって、メディアもこの盛り上がりに便乗しています。新聞のスポーツ欄一面には、2チームのライバル心を煽るような記事やコラムが並びます。テレビ各局も過去の名勝負を、ジョンソンやバードのインタビューをまじえ再放送しています。

数日前にラスベガスを訪れた時、カジノではそれぞれのチームのユニフォームを着たファンが、巨大スクリーンに映し出された試合に見入って応援していました。スポーツギャンブルを主催するラスベガスのカジノにとっても、レイカーズとセルティックスが決勝まで進んでくれたのは天から降って湧いた幸運に違いありません。

ボクたちスポーツライターの仕事というのは、ファンや読者のために、スポーツを楽しむ視点を与えることです。単に試合結果や数字といった生のままの情報を与えるだけなら誰にでもできます。そうした情報を整理し、試合をとりまく歴史や人間ドラマを取材してファンに物語の形で提供することが、ボクたちの役目なのです。

人々がスポーツを見て感動する理由は、競技の美しさや技術のレベルだけではありません。むしろそれは副次的なもので、それをとりまくドラマに心を揺り動かされるのです。

1998年に日本がサッカーのワールドカップ初出場を決めた時、全国が熱気に包まれました。南米やヨーロッパの強豪国や、サッカーに無関心のアメリカから見れば、たかがワールドカップ出場で何盛り上がっているんだと映るかもしれません。しかし、日本人にとっては、テレビで繰り返し流されるドーハの悲劇を乗り越えてやっとつかんだチャンスなのです。

もちろん実際にプレーする選手達にとっては、そうした物語は何の意味も持たないことがほとんどです。レイカーズとセルティックスの歴史も、今の選手にとっては過去の出来事以外の何でもありません。ある記者がレイカーズのフィル・ジャクソン監督に、過去の名選手を招いて現役選手の前で話をしてもらう予定はあるかと訊いたところ、きっぱり「No」と言い放ちました。

そりゃそうです。数十年も昔に2チームのライバル関係どうだったかなんてことを聞いたところで、試合を勝つことの役に立ちゃしません。選手達にとっては相手がレイカーズだろうが、セルティックスだろうが、決勝戦に勝つことしか頭にないのです。

それでも、今回のNBAファイナルが、リーグの人気復活にとって必要なカードだったことは間違いないでしょう。リーグのイメージがヒップホップ文化と結びつくことで離れてしまっていた若者以外のファンも、「古き良き時代」を思い出すことができます。

現在セルティックスが2-1とリードしていますが、コミッショナーのデイビッド・スターンは、どっちが勝つにせよ最終の第7戦までもつれこんでくれることを願っているはずです。

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iPhone: 携帯電話を超えたケータイ

最近、自分の中で収まったと思っていたアップル熱。でも昨日久しぶりに物欲を刺激する製品が発表されました。

iPhone 3G

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Courtesy of Apple

思えば一年前、ちょうどiPhone発売に合わせて旧携帯の充電器が壊れました。愛するアップル社の画期的な携帯電話。アップルストアに行って実際に操作し、その直感的な操作方法に新しい時代の匂いを感じました。しかし$599という値段はとても手がでるものではありませんでした。携帯サービスをAT&Tにしなくてはならないのも購入を思いとどまった大きな理由です。

しかし、昨日のスティーブ・ジョブズCEOによるiPhone 3G発表を見ていて、心が揺さぶられました。きっとこの製品は、携帯電話のあり方そのものを大きく変えるに違いないと。

これまでの携帯電話はどれだけ進歩したとは言え、パソコンの補助的機器であることは否めませんでした。外出先で重いパソコンを持つのが面倒だから、一時的に情報を保存したり、簡単な情報を検索したりするために、携帯電話を代わりに利用するのが主な使い方です。

しかし、iPhoneは単なる補助ではなく、家やオフィスのパソコンとほとんど変わらない情報処理能力を持ちます。動画や音楽を扱えるのはもちろんのこと、ワードやパワーポイントといった書類を確認したり、自分で撮った写真を管理することもできます。メールもパソコンと変わらない感覚でやり取りできます。

3Gという高速回線を利用することで、パソコンと変わらない大量の情報のやりとりが可能なのです。こうした機能を直感的な操作で行えるようになったのも画期的な変化だと言えるでしょう。

以下がiPhone 3Gの主な特徴。

1.価格が$399から$199へと値下がり
他社の高機能の携帯電話と比べても安い値段となりました。発売日にはドラクエに負けないほどの行列ができるはず。

2.小さなボタンがいくつも並ぶのではなく、本体いっぱいに広がった画面をタッチする直感的な操作
これは実際に使ってみれば、誰もが実感することだと思います。携帯電話にありがちな分厚い説明書は、iPhoneには必要ありません。これまで操作が複雑で使われていなかった機能が、人口の99パーセントを占めるであろう機械音痴でも使えるようになります。

3.携帯用の機能が制限されたウェブブラウザやメールではなく、パソコンと同等のインターネット機能を搭載
電車の乗り換え情報を調べるだけでなく、新聞を読んだり、YouTubeで動画を楽しんだりすることができます。3Gへの移行によって、携帯サービス圏内であれば、Wi-Fiと変わらない速度でインターネットが楽しめます。

4.GPSを搭載し、正確な位置情報が分かる
この機能を使った新しいサービスが次々と開発されるはずです。例えばAP通信は、使用者がいる場所のローカルニュースを、iPhoneに配信するサービスを開始します。

5.パソコンとの即時の連携
パソコンの中にある書類や連絡先にアクセスするのはもちろんのこと、その逆も簡単です。

6.グローバル対応
日本語を扱えるようになりました。日本でのiPhone発売は7月11日です。

ようやく日本でも発売になるiPhone。iPodが携帯音楽プレーヤーのスタンダードになったように、きっと一年後には、iPhoneが世界の携帯電話とモバイルパソコンのスタンダードになるに違いありません。

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genre : 携帯電話・PHS

tag : iPhone アップル 携帯電話 アメリカ スティーブ・ジョブズ iPod

6トン、L.A.上陸

大相撲がロサンゼルス巡業にやってきました。ボクは見に行くことができませんでしたが、旅の一部始終がロサンゼルス・タイムズの地元セクションで紹介されていました。

L.A. Timesに掲載されている写真

着物姿のちょんまげ男たちがロサンゼルスの街を歩き回る様子は、およそ150年前、咸臨丸に乗った日本の使節団がアメリカを訪問した時のことを彷彿させます。

巨大な力士たちが、無邪気にハリウッドやユニバーサルスタジオを楽しんでいる姿は、アメリカ人に強い印象を与えたようです。ハリウッドのチャイニーズシアター前で、スパイダーマンとふざける高見盛や、ドジャー・スタジアムで始球式を務めた白鵬の写真が掲載されていました。

相撲はアメリカ人にとってアジアの神秘の一つです。ちょんまげを結い、まわしをつけた裸の大男たちがぶつかり合う、まるで儀式のような取組み。一般的に小さいと思われている日本人だけに、不思議もいっそう深まります。

007やオースティンパワーズなどのハリウッド映画にも登場し、日本文化のイメージとしてすっかり定着しました。フットボールのラインマンと並んで、大きい人の代名詞として用いられることも。 ("He's like a sumo wrestler."「彼はまるで力士のようだ。」)お祭りや遊園地では、クッション入りの力士スーツを着て、おしくらまんじゅうのような相撲をするアトラクションが人気を集めています。

また、数年前にスポーツ専門局ESPNが、相撲の世界選手権を放映していたのを覚えています。世界選手権といっても、日本の本場力士たちは出ておらず、200キロ近くある世界中の太った男性がレスリングスーツの上から回しを締めていました。

本場の相撲を知っているものからすると、技術的には非常にお粗末な取組みで、力任せに相手を倒そうとしている素人ばかりでした。ちゃちな土俵の周りで、日本というよりは中華というべき楽器の生演奏が行われているのには、苦笑いするしかありません。雰囲気を出そうと頑張っているけど、どこか違うという、まさにアメリカのエンターテイメントにふさわしいイベントでした。

今回の相撲巡業で、アメリカ人が相撲に対する正しい知識を得てくれたことを祈るばかりです。

tag : ロサンゼルス 巡業 相撲 高見盛 白鵬 まわし 土俵 ESPN アメリカ

ガソリンよ どこまで上がるや 底しらず

ガソリン価格がついに一ガロン4ドルを突破したかと思えば、その一週間後には4.30ドル。まさにミスチルのTomorrow Never Knows。とどまることをしりません。

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カリフォルニアはガソリン平均価格が全米一位。以前住んでいたテネシーと比べて50セントも高いのだからたまりません。

6ヶ月前に、弟と二人でサンフランシスコに旅をしていた途中、荒野のど真ん中に一ガロン3.50ドルのスタンドがあって、二人で驚いていたのがもう遠い昔のことのよう。ボクが以前留学していた時に、2ドルを突破してアメリカ人が大騒ぎしていましたが、その四年後にこうなるなんて誰が予想できたでしょうか。

一ガロンが3.785リットルなので、現在およそ一リットル114円。三年前の日本でそれくらいだったと記憶しています。今の日本では150円を超えているようなので、それに比べればましではないかと思うかもしれません。

でもアメリカの場合、大都会に住んでいない限り、車なしで生活することはほぼ不可能です。ビクタービルにはロサンゼルスまで通勤している人がたくさんいますが、車で1時間運転する以外、交通手段はありません。毎日往復100キロ以上運転するのだから、ガソリン代はばかになりません。

ボクは職場やショッピングモールまでわずか数キロと恵まれていますが、それでも夏場は40度近くになるため、自転車や歩きはかなり苦痛です。ましてや、100メートル離れたコンビニに行くのに車を使うアメリカ人が、数キロの道のりを自転車通勤できるとは到底考えられません。

日本やヨーロッパのように電車やバスが発達している国に比べ、アメリカではガソリン価格の変化が生活に大きく影響をおよぼすのです。車と飛行機という、アメリカの二大交通網がガソリンに依存しているのは、非常に危険な状態だといえます。

投資家や弁護士さん達ならあまり問題ないでしょうが、薄給記者にとっては大打撃というか、日々のサバイバルに関わってくる問題です。ただでさえ楽しみの少ない砂漠のど真ん中。ささいな小旅行という楽しみまで奪うのかとイライラもつのりばかりです。

そんな中、ウハウハ気分なのは日本の車会社。さすがのアメリカ人も、飢えた野良犬のようにガソリンを食うアメリカ製SUVやトラックは、手に負えなくなっているようです。今日のロサンゼルス・タイムズにも、燃費のいいアジアの小型車が売り上げを伸ばしているとの記事が載っていました。

ボクもこんな逆境に負けじと、明日から二日間休みを使ってラスベガスでギャンブルに興じてきます。もし神様がいるのであれば、きっとこんなボクに救いの手を差し伸べて、少ない元手を何倍にもしてくれるはずだから。(というのは冗談で、テネシーからやってくる元ルームメイトの観光に付き合うだけです)

原油や鉱物資源などに投資して、ガソリン代をつりあげているのではないかと噂されるウォール街の投資家さんたち。彼らがますますリッチになって、そのしわ寄せが純粋無垢なボクにふりかかっているとしたら、世の中不公平極まりありません。

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政治家はブランド品

長かったアメリカ大統領予備選挙もついに幕を閉じます。バラック・オバマ氏が僅差でヒラリー・クリントン氏をやぶり、民主党の大統領候補の座を手にしました。

下馬評ではクリントン氏有利との報道がされていましたが、それを見事に覆しての勝利。オバマ氏がカリスマ性と心を揺さぶるスピーチで有権者にこの人にかけてみたい、と思わせることができた結果だといえます。

カリスマ性とスピーチ力。リンカーン、ルーズベルト、ケネディー、レーガンといった、国民に人気の高い大統領に共通していた点です。結局政治家にとって大切なのは、細かい政策立案能力よりも、市民や官僚、立法家たちに、自分の考えに共感し、行動するよう説得する能力ではないでしょうか。

有権者の中で、政策だけをもとに支持候補を決める人はほとんどいません。自分の理想と完全に一致する候補者などいないであろうし、今回の大統領候補達はみんな似たり寄ったりのことを言っている上、重要な課題については言葉をにごし曖昧な回答にとどめています。そもそも選挙活動中の公約など、あってないようなものです。

また、たとえ政策で選んでいると思っていても、それはテレビや新聞、インターネットから伝わる、間接的な情報に基づいてる場合がほとんどです。

「マケインは元軍人だから、戦争推進主義者だ」とか「オバマはイスラムの血が流れているから、イランに対しては友好的態度をとるだろう」など、結局は各候補に対するイメージから人物像を作り上げているにすぎません。

そこで圧倒的な影響力を持つのがメディアです。有権者の中で、実際に大統領候補に会って話した事がある人は何人いるでしょうか。ただ握手や挨拶をしただけでは、その人に対する正しい認識を持つことは不可能です。

結局今の選挙はメディアから伝わる情報をもとに動いていると言っても過言ではありません。だから政治家にテレビ映りやスピーチ力といったカリスマ性は欠かせないのです。いかに自分をブランドとして確立できるか、これが勝利のカギだといえます。

クリントン氏が負けてしまったのも、彼女の政策うんぬんよりも、メディアから伝わる彼女のイメージが原因だったように思います。強い女性、フェミニスト、ヒステリーな女という、アメリカ人全般が嫌うイメージが定着してしまった結果です。

ボクの知り合いにも、絶対クリントン氏には投票しないというアメリカ人がたくさんいます。彼らにどうしてかと尋ねると、こぞって彼女の人格を否定しようとします。

でも、彼らのうち何人がヒラリーさんの人間性を判断できるほど、彼女と親しい間柄なのか。これには触れないようにしています。

theme : アメリカ合衆国
genre : 政治・経済

tag : アメリカ 大統領選挙 民主党 クリントン ヒラリー オバマ イメージ ブランド 政治

ボクはフリーエージェント

ある日会社のオフィスに入ると、ニュース局の華であったレイチェルの席に、別の男性が座っていました。

レイチェルは大学を卒業したての女の子。とてもキレイな顔立ちで、小鳥のようなかわいい声をしているため、まさに癒しの存在でした。イラクにいるアメリカ兵のボーイフレンドを待ち続けているというけなげさも持ち合わせています。

そんな彼女が突然いなくなったことに驚き、ニュース局の記者にわけを尋ねてみると、カリフォルニア北部にある実家の近くに戻ったとのこと。働き始めて一年足らずといいます。

でも実はこれ、そんなに珍しいことではありません。ボクがこの新聞社で働き始めてわずか6ヶ月、ニュース局全体でおそらく四分の一くらいの人が入れ替わったのではないでしょうか。いちいち盛大な歓送迎会を開いていたら、毎日がパーティーになってしまいます。

つい最近入ったばかりだと思っていた記者がいつの間にかいなくなる。そしてそこにまた新しいメンバーが加わる。その繰り返しです。僕自身も、スポーツ局で働いていた記者が大きな新聞に移り、空きがでたところに加わりました。

辞める理由は様々で、キャリアアップのため別の新聞社に移ったり、記事の中で重大なミスをおかしクビになったりと、何が引き金になるか分かりません。今のアメリカ社会では、日本のようにずっと一つの会社にとどまる人というのは本当に少なくなってきています

アメリカ版リクルートともいえるモンスター(Monster)が出版している就職活動本には、こんなことが書いてあります。

1.50年前のアメリカでは、一つの職についたら平均23年半そこで働いていた。それが今では平均3年半にまで下がっている。今20歳で働き始めた若者は、退職するまでに20回ほどの転職を経験することになるかもしれない。
2.転職がマイナスにとらえられる時代はもう終わった。雇う側はむしろ、「この人が本当に有能ならば、なぜ10年も同じ職場にい続けたのか」と疑問に思うだろう。
3.変化は避けられないもの。そして変化はチャンスを作り出す。
4.フリーエージェントであれ。

フリーエージェントはスポーツでよく用いられる言葉です。フリーエージェントは一つのチーム(会社)にとどまらず、いくつものチームを渡り歩きます。

チームに雇ってもらうという受け身の発想ではなく、あくまで契約に基づいたパートナー関係です。チームの求めている条件と、自分が提供する能力が一致し、お互いの利益が最大になることを目指す結果だともいえるでしょう。

フリーエージェント制度は、メジャーリーグでは当然の権利というか、それをもとに人事が動くようになっています。チームの目指す方向性に合わなくなった選手がいれば、球団は容赦なくトレードに出すか、放出します。

選手も、先発出場して能力を発揮できる場を求め、給料や待遇のよいチームに移籍をしていきます。他のチームなら十分レギュラーとして活躍できるのに、同じポジションにスター選手がいるため試合に出られないのでは時間の無駄です。

選手はフリーエージェントの権利を手に入れると、それを最大限活用するため、交渉や人事のプロである代理人の協力を得ながら自分にあったチーム探しを行います。フリーエージェント制度は、雇う側の一方的な選択ではなく、雇われる側も自分の居場所を選ぶ対等の関係によって成り立っています。

一方、日本のプロ野球では未だチームへの恩義や安定を優先するがゆえに、選手達もフリーエージェントとしての権利を最大限に活かせずにいます。アメリカではフリーエージェントのシステムが企業にも浸透してきているため、人事に流動性があるのです。

theme : 人事・雇用制度
genre : 就職・お仕事

tag : アメリカ 日本 就職 フリーエージェント メジャーリーグ プロ野球 人事 流動

アメリカの陸上事情

昨日はカリフォルニア州の高校陸上決勝大会でした。州全体から各地域の予選を勝ち抜いた選手達がロサンゼルスに集まってきます。地元ハイデザートからは6人の選手が出場し、3人が入賞しました。

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カリフォルニアはテキサスと並び、陸上王国アメリカの中でも陸上のレベルが高いことで知られています。会場には一万人近くの観客が集まり、その名に恥じぬハイレベルな争いが繰り広げられました。投擲競技や短距離走などでは、日本の高校記録を上回る選手も何人かいました。

ただ、陸上王国であることと、そのスポーツが人気があるかは全く別の話。日本ではオリンピックはもちろんのこと、世界陸上も全国放送されますが、アメリカでは陸上がテレビで放映されることはオリンピック以外ほとんどありません。カリフォルニアの高校陸上はむしろ例外で、全米レベルの大会ですら一万人もの人はなかなか集まりません。

日本では室伏広治、為末大や高橋尚子など、あまりスポーツに興味のない人ですら知っている有名選手がいますが、アメリカでは陸上選手はほぼ無名の存在です。おそらく織田裕二さんの世界陸上を観ている日本人の方が、アメリカ人選手をよく知っているはず。

ボクがテネシー大学に通っていた時、世界陸上の幅跳びで金メダルを獲得した女の子がいましたが、学内でも彼女のことを知っている人はほとんどいませんでした。だから、プロとして活動するアメリカ人陸上選手は、ヨーロッパや日本をまわってお金を稼いでいます。

それでも中には陸上の魅力にとりつかれた人々がいて、記者席ではそうした記者による熱い陸上談義が行われていました。ボクもわずか一瞬の動作で全てが決まるスリルや、数字という誰の目にも明白な形で結果が表れる陸上ならではの面白さがたまらなく好きです。

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残念なのは、アメリカの高校では、長距離の長さが1500メートルや3000メートルではなく、1600メートルや3200メートルといったマイル単位に基づいていること。オリンピックタイムとの比較ができないので、隣に座り合わせた全米陸上協会の人も、世界基準に合わせない高校連盟に腹を立てていました。偶然にも両種目で高校記録が出たため、余計苦さが残りました。

それとやめてほしいのが距離や高さのフィート表示。オリンピックでのメートル表示に慣れている他の国の人にとっては迷惑以外の何でもありません。どんなに優れた記録もいちいち頭の中で換算しなくてはならないのでは、そのありがたさが薄れるというものです。

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ところで記者席に座っていて改めて感じたのですが、スポーツ記者には女性がほとんどいません。これまでプロスポーツや女子スポーツまで幅広く取材してきましたが、女性記者には数えるほどしか出会ったことがありません。今回の大会など、女子選手が半分を占めているはずなのに、女性記者は一人だけ。ボクが大学新聞のスポーツ編集長を務めていた時も、女性記者の応募は皆無でした。

女性の社会進出が比較的進んでいるアメリカだけに、スポーツの世界が未だ白人男性中心なのは寂しいことです。僕自身もマイノリティとして、スポーツ・ジャーナリズムの世界が閉鎖的なのは常々感じます。

女性は男性とは違った視点でスポーツを見ることができます。それはこの職業で活躍する上でとても大きな武器になるはず。ある意味チャンスにあふれている分野と言えるでしょう。

僕自身、この職業に女性が増えていけば、新しいスポーツの楽しみ方が生まれてくるのではないかと期待しています。正直なところ、同じオフィスに女性がいないのは寂しいですし。

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theme : 陸上競技
genre : スポーツ

tag : アメリカ 陸上 王国 女性 記者 メートル フィート カリフォルニア

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TomoyaS

Author:TomoyaS
アメリカ生まれ、日本育ち。日本で大学を卒業した後、アメリカの大学院でスポーツ学の修士課程を修了。現在はカリフォルニアの新聞社でスポーツライターとして活動中。

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