スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

WBC決勝戦:もう一つの戦い

日本中を興奮の渦に巻き込んだ(とネット上の盛り上がりからは想像される)ワールド・ベースボール・クラシック決勝戦。

偶然にも昨日は内勤で、スポーツ欄一面のレイアウトを担当していました。当然WBCは表紙にでかでかと載せるものかと思いきや、同僚に相談したところ、アメリカ代表じゃないし、中でいいんじゃないのという冷めた反応。

それでこそアメリカで関心の薄いこの大会。自国が残ってないとくれば、しょうがないことでもありますが、WBCの将来にわずかながらでも貢献しようと、一面扱いを押し通しました。

試合開始の6時半からテレビをつけ、緊迫した試合展開でなかなか仕事にも集中できません。先発の岩隈投手が、7回2/3を97球、4安打2失点の好投を見せ、試合は佳境へ。

しかし、何とそこで、同僚が母校が出場しているバスケットボールの試合を見るんだと、チャンネルを変えてしまいます。いい年の男同士が、チャンネル争いをするのも恥ずかしいので、仕方なく合間を見ながら二つの試合を行ったり来たりを繰り返していました。しかも電話が舞い込み始め、大事な試合に集中できません(まあ本来仕事が優先されるべきなのですが)。

WBCは9回に突入し、日本がリードしたまま、メジャーも注目する抑えの切り札ダルビッシュがマウンドに。この時点で締切りまで40分。まあこのまま日本が勝てば間に合うだろくらいに、軽く考えていました。ところがどっこい、ダルビッシュが9回2死でまさかの同点打を許してしまいます。

つい最近、社主から締切りを守るよう、厳しく言い渡された後だけに、ランス・アームストロングの怪我の記事への差し替えを考え始めました。すると10回表に、ツーアウト二・三塁で打者はイチローという、絵に描いたような場面が訪れます。

おそらく、この時間にテレビでWBCを見るため起きているアメリカ人は、1パーセントもいないかもしれません。ここで打ってくれないと、WBC、そしてアジアのベースボールをアメリカ(といっても10万人程度の読者ですが)に広めようというボクの努力が、全て無駄になってしまいます。

祈るような気持ちで画面を見つめる中、やってくれましたイチロー。甘く入ったチェンジアップを、綺麗にセンター返し。勝ち越しのランナー二人が生還し、その裏にはダルビッシュがきっちり抑えてくれました。

AP通信が驚くような速さで、記事と写真を配信してくれたため、締切りとほぼ同時に、何とかページを入稿することができました。東海岸などでは、夜中の1時半過ぎに試合が終わったことになるため、うちはアメリカでWBCの記事を一面に載せた数少ない新聞だったんじゃないでしょうか。ギリギリまで待ったかいもあって、日本の知名度アップに、わずかながら貢献できた(?)喜びがありました。

WBCFront.jpg

それにしても、ベースボールがAmerica's game(アメリカのスポーツ)やnational pastime(国民的娯楽)であると謳うアメリカ人。WBCの米国内での盛り上がりを見ていると、それが空虚に聞こえてしまいます。メジャーリーグの実力はともかくとして、自国開催でも全く国民の注目を得られないようなMLBや選手会の運営にはクビをかしげざるをえません。一国のプロリーグが主導権を握る大会運営に限界を見たような気がします。
スポンサーサイト

theme : WBC
genre : スポーツ

tag : WBC ワールド・ベースボール・クラシック 新聞 イチロー ダルビッシュ

WBC熱の日米差

ワールド・ベースボール・クラシックもついに準決勝。日曜日には、日本対アメリカという好カードが待っています。

その舞台となるロサンゼルス周辺に住んでいるため、日本の家族や友達から連絡が来る度、大会を取材しないのかと聞かれます。

残念ながら、親会社が人員・経費削減を進める中、うちのような小さな新聞社には、そんな余裕はありません。AP通信の配信する記事を使います。ましてや、何十人もの記者が詰めかける大会。たかが2、3日取材しただけで、他で読めないような記事を書くのは簡単ではありません。

そして何より、WBCは読者からの需要が低いという現実があります。日本での熱狂的な盛り上がりを考えると理解しがたいかもしれませんが、アメリカ人のWBCに対する見方は非常に冷めています。

March Madness(三月の狂乱)と呼ばれる、全米大学バスケットボール選手権大会の陰に隠れ、野球ファンの間以外では、アメリカ戦ですらほとんど話題に上がることはありません。

テレビ視聴率は前回大会に比べて上がったものの、一次ラウンドで平均1.3パーセント。アメリカ戦でも2パーセントに届きませんでした。日本で韓国戦の視聴率が40パーセント近かったのと比べると、天と地の差です。

メディアもアメリカチームの活躍を取り上げるというよりは、日本との人気の差、メジャーリーガーの出場辞退や続出する怪我人など、否定的な報道が目立ちます。

「この状況だと誰も得をしない。中には、ただ選手達に戻ってきてほしいとだけ願う監督もいるが、私もそう感じる一人だ。私は(メジャー)開幕までに、選手達には一緒に時間を過ごしてもらいたい」

こう話すのは、主力選手5人が準決勝に参加するデトロイト・タイガースのリーランド監督。選手一人一人に数億もの給料を払っているチームとしては、シーズン前に選手が調子を崩したり、ケガをしたりする事態を避けたいと考えます。

この時期にロサンゼルスにいられて幸せだと思う人もいるかもしれませんが、日本で熱狂的なファンたちに囲まれて楽しみたかったというのが本音です。

theme : WBC
genre : スポーツ

tag : WBC ワールド・ベースボール・クラシック 日本 アメリカ ロサンゼルス 視聴率

WBC: オランダを導く名将

大リーグ選手だけで構成された優勝候補のドミニカ共和国が、現役大リーガーのいないオランダに延長戦で敗れ、第一ラウンド敗退という大波乱の起きたワールド・ベースボール・クラシック。

最初の対戦でオランダが3-2で勝った時は、ドミニカの打線がたまたまつながらず、オランダのピッチャーが偶然調子が良かったのだろうくらいに思っていました。でも、昨日の試合でまたもやドミニカ打線を封じたオランダ投手陣。プエルトリコも3点に抑えたことを考えると、からっきしダメな打線を補うだけのものを持っているのかもしれません。

そしてプエルトリコ戦をテレビで見ていて驚いたのが、オランダの監督。ダッグアウトで腕を組む姿がしきりに映り、どっかで見た顔だなと思ったら、それもそのはず。なんと一年半ほど前までテネシー大学の監督をしていたロッド・デルモニコさん。

18年間でテネシー大学を三度のワールドシリーズへ導き、1995年には最優秀監督に選ばれ、トッド・ヘルトンを初めとする名選手をメジャーリーグへ送り込んだ名将です。それでも最後の数年はカンファレンスやプレイオフで思うような成績が残せず、ボクが大学新聞で野球チームの番記者をしていた2007年のシーズン後に解雇されてしまいます。

シーズン中の記者席では、番記者連中が、チームの苦しむ様子を見て、デルモニコさんの采配をこきおろしていました。彼は日本の監督以上に、基本に忠実な野球を好み、バントや盗塁を多用する、いわゆるスモール・ベースボールを貫いていました。感情をそのまま表現するため、敗戦後のインタビューは気が重いこともありましたが、常に率直な意見を聞かせてくれることもあって、ボクにとってはお気に入りの監督でした。

また、アメリカ以外の野球にも関心が深く、ヨーロッパや中国に、メジャーリーグからのコーチとして派遣されていました。おそらくそれが、オランダチーム監督への就任にもつながったのだと思います。最初に挨拶をした時から、日本から来たボクに興味を持ってくれ、日本の選手をぜひテネシー大でプレイさせたいという話すら持ちかけてきました。

ドミニカ戦の後には、以前と変わらぬ笑顔で喜びを爆発させ、涙を流していたデルモニコさん。18年間も同じチームを率いていてれば、監督としてマンネリ化することもあります。指導力はお墨付きなだけに、ワールド・ベースボール・クラシックでの活躍をモチベーションにして、大舞台に返り咲いてもらいたいものです。

theme : WBC
genre : スポーツ

tag : WBC ワールド・ベースボール・クラシック オランダ ロッド・デルモニコ ドミニカ共和国 テネシー大学

市民ジャーナリズムの限界

市民参加型のインターネットニュースサイト、オーマイニュースが日本で普及しなかった理由についての記事がありました。

オーマイニュースはボクも訪れたことがありますが、残念ながら読みたいと思うような記事はほとんどありませんでした。今ではオーマイライフという名前で、「日本初の体験型レポートサイト」として方向性を少し変えたようです。

どうして市民が記事を書いて投稿する、ニュースサイトが成り立たないのか。その答えは、ジャーナリズムを本職としない市民の、取材力の限界にあります。

ブログでは、個人の体験や感じたこと、意見を自由に述べることができます。政府の金融政策は雇用には結びつかないだとか、日本がワールド・ベースボール・クラシックで優勝するにはこうするべきなどといった議論がブログでは盛んに交わされます。

中には、評論家顔負けの分析で、多くのファンを持つブログもあります。評論家や専門家自身がブログを持つことも当たり前になりました。誰もが大手メディアを通さずとも意見を発信できるようになったという意味で、ブログには大きな価値があります。

しかし、ブログで意見を述べるには、まずは正確な事実を得る必要があります。個人の体験を綴ったエッセイなら別ですが、ブロガーが日本の経済について意見を述べることができるのは、政府がどんな政策を打ち出すのかを、政治家や官僚たちから直接聞き出したり、専門家に話を聞いたりして記事にする人がいるからです。

プロの記者は、事実を報じるために、実際に現場に赴き、何十人もの関係者に話を聞きます。そうして書かれた記事は、厳しい事実関係のチェックを得て、初めて読者の目にふれることになるのです。報道とは、とてつもない労力と費用を必要とするプロの仕事であり、他に仕事を持つ人が、片手間でできることではありません。市民がニュースを報じようとする試みが成功できない理由はここにあります。

theme : 報道・マスコミ
genre : 政治・経済

tag : ジャーナリズム ブログ 報道 取材 オーマイニュース オーマイライフ 記者

ブロコビッチは美人だった

法学院を出ていないシングル・マザーが、アメリカの西海岸を拠点とする大手企業PG&Eを相手に訴訟を起こし、史上最高額の和解金を得るという実話を描いた『エリン・ブロコビッチ』。

エリン・ブロコビッチ [DVD]エリン・ブロコビッチ [DVD]
(2007/01/24)
ジュリア・ロバーツアルバート・フィニー

商品詳細を見る


エリン・ブロコビッチは、PG&Eの工場から漏れた有害物質によって地元住民達が病に苦しむ事実を突き止め、3億3000万ドル(約330億円)の和解金を勝ち取ります。ブロコビッチ役のジュリア・ロバーツは、この映画でアカデミー主演女優賞を獲得しました。

舞台となったヒンクリーという小さな町は、ビクタービルから車で40分ほど北に走ったところにあります。映画ではブロコビッチが200万ドルのボーナスを手にするというハッピーな結末が描かれていますが、ヒンクリーでは未だ人々が癌によって苦しんでいるようです。


大きな地図で見る

オフィスでボクの隣に座っているスティーブは、訴訟当時にうちの新聞で編集長を務めていたので、映画を見た翌日、彼に当時の様子を聞いてみました。

すると、ブロコビッチ本人が、訴訟を新聞でもっと取り上げてくれるようお願いに来たとのこと。頑固者じいさんのスティーブは、「ジュリア・ロバーツに負けないくらい美人だった」という彼女の要望をそのまま受け入れることはなかったようですが、最後に一言、「おっぱいがでかかった」と付け加えていました。

弁護士(ブロコビッチはlegal clerkですが)が、企業や政府の悪事を暴いて巨額のお金を手にする一方、ジャーナリストはその仕事をタダ同然で引き受けます。功名心ももちろんありますが、市民のためにという正義感、使命感に駆り立てられて働くジャーナリズムという職業に、この映画を見て、改めて誇りを持つようになりました。

theme : 最近見た映画
genre : 映画

tag : エリン・ブロコビッチ カリフォルニア ヒンクリー ビクタービル ジュリア・ロバーツ

床を好む日本人

ルームメイト達と三人で、コーヒーテーブルを囲み、テレビを見ていた時のこと。

アメリカ人の二人が、大きな身体をソファにふんぞり返らせている向かい側で、ボクは一人あぐらをかいて、ソファの縁に寄りかかって床に座っていました。

日本人とアメリカ人が集まると、時たま目にする光景です。

家の中では靴を脱ぎ、畳の上で生活することに慣れている日本人は、床に座ることを苦にしません。アメリカの広々とした絨毯の上で、思いきり体を伸ばすのはむしろ快感です。しかし、家の中でも靴を履いて生活し、イスやソファに座ることに慣れているアメリカ人は、たとえそれが絨毯の上であっても、床に座ることを心地よいとは感じないようです。

ボクが床に座るのを見て、ルームメイトは子供っぽいとの印象を持つといいます。アメリカでも、小学生くらいまでは、家や授業で絨毯に座ることも多いからです。

留学時代を振り返ってみると、アメリカ人の学生は、寮の部屋に大量の家具を持ち込んでいました。パーティーでも、みなソファに座ったり、立ったりしたままで楽しみます。日本人が集まって飲み会をすると、円になって床に座り込むのとは対照的です。

こうしたさりげない行動や、心地よいと感じることに、文化の違いが表れるのは、観察していて興味深いものです。

theme : アメリカ合衆国
genre : 海外情報

tag : 文化 座る アメリカ 日本 飲み会 ソファ

プロフィール

TomoyaS

Author:TomoyaS
アメリカ生まれ、日本育ち。日本で大学を卒業した後、アメリカの大学院でスポーツ学の修士課程を修了。現在はカリフォルニアの新聞社でスポーツライターとして活動中。

最近の記事
RSSフィード
ブログ内検索
ブログランキング!
ランキングに登録しています。下のバナーをワンクリックお願いします!

FC2ブログランキング

カテゴリー
月別アーカイブ
最近のコメント
最近のトラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。