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難民のかなえたアメリカン・ドリーム

ついに数時間後に迫ったオリンピック開会式。日本は卓球の福原愛選手が旗手を務めますが、ぜひアメリカの旗手にも注目してください。

ロペス・ロモング、23歳。アメリカ陸上代表選考会の1,500メートルで3位に入り、オリンピック出場を決めました。

ロモングは計200万人の命を奪ったといわれる内戦に苦しむアフリカのスーダンで生まれました。教会に行っていた6歳のロモングは、突然押しかけてきた反政府軍たちに銃を突きつけられ、他の子供たちもろとも連れ去られてしまいます。彼らは子供たちを誘拐して兵士に育てようと考えていたのです。

しかし兵士にするにはあまりに幼すぎたロモングは捕らえられていた3週間、ろくに食料も与えられませんでした。仲間達が次々と餓死していく様子を目の当たりにした彼は、監視の目を盗んで友達3人と軍事キャンプを抜け出し、3日間裸足でサバンナを走り続けました。

国境を越えケニアに抜け出た彼らは警察に捕まり、難民キャンプへと送られました。そこで国連や国際援助機関の保護のもと10年を過ごした16歳のロモングに転機が訪れます。

アメリカ政府が約3,800人の内戦孤児の子供にビザを与える定住プログラムを始めたのです。自らの体験とアメリカに行く夢を書いた作文が認められ、ロモングはニューヨーク州に住むアメリカ人夫妻に引き取られることとなりました。

初めは電気の消し方やシャワーの使い方にすら戸惑ったというロモングですが、徐々にアメリカの生活に慣れ、高校で始めた陸上で才能を発揮し、北アリゾナ大学に進学を決めます。そこで全米優勝を果たしたロモングは、昨年アメリカ国籍を取得し、アフリカの家族とも再会を果たしました。

今回のオリンピックでチベットと並んで政治的焦点となっているダルフール紛争問題。スーダンのダルフール地方で起こっている政府による虐殺を食い止めようと、世界各国のアスリートが集まって「チーム・ダルフール」を結成しました。ロモングもそのメンバーの1人です。

スーダンに石油利権を持つ中国は、ダルフール紛争に関して厳しい態度をとることを避け、更にはスーダン政府に武器を供給しているとも言われます。「チーム・ダルフール」がオリンピックでそうした対応を批判するメッセージを発信することを恐れた中国政府は、「チーム・ダルフール」の創設者でトリノ五輪スピードスケート金メダリスト、ジョーイ・チークの入国ビザを無効にしてしまいました。

そんな矢先に、各競技の代表選手たちがロモングを旗手に選んだことは、政府やオリンピック委員会による抑圧を恐れない選手側の強い意思に他なりません。

テレビでオリンピックの開会式を見る難民キャンプの子供たちの眼に、自分たちと同じ境遇で生まれ育ったロモングがアメリカチームの先頭を切って入場する姿がどのように映るのか。今から開会式が楽しみです。
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theme : 北京五輪
genre : スポーツ

tag : ロモング ダルフール 五輪 オリンピック 難民 スーダン 旗手 アメリカ 中国 北京

comment

Secre

What a beautiful story

このような話を書いてくださってありがとうございます。 こういうバックグラウンドがある選手にたくさんの人が勇気付けられると思います。 どんな選手も苦労をして勝ち上がってるのだと思いますが、人一倍苦労をした選手には特に励まされます。
初めてこちらのブログへお邪魔しましたが、これからもちょくちょく拝見させてください。 たくさんの話を期待してます!!

>kimさん
コメントありがとうございます。取材をしていると、日本人には想像しづらい過酷なバックグランドを持ったアスリートに出会うことがあります。これからもそういった選手達を紹介していくつもりですので、ぜひ読んでいただけたら思います。
プロフィール

TomoyaS

Author:TomoyaS
アメリカ生まれ、日本育ち。日本で大学を卒業した後、アメリカの大学院でスポーツ学の修士課程を修了。現在はカリフォルニアの新聞社でスポーツライターとして活動中。

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