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ショーン・ジョンソン、笑顔の体操少女

早くも後半に突入した北京オリンピック。マイケル・フェルプスの8冠や北島康介の連覇など話題には事欠きませんでしたが、ボクが最も注目したのは女子体操でした。

優勝を期待された団体では惜しくも中国に敗れて銀メダルに終わったアメリカ代表ですが、個人総合では金、銀を独占。2位を獲ったショーン・ジョンソンは、ボクのお気に入りのアスリートです。



ジョンソンはアイオワ州出身で、身長145センチの16歳。あまり背の高い選手のいない体操界でも、極めて小柄な存在です。それでもいったんゆかや平均台の上に立つと、対格差など微塵も感じさせない元気いっぱいの演技を見せてくれます。

2007年には15歳で全米、世界王者となり、北京にもフェルプスや陸上のアリソン・フェリックスなどと共に、アメリカ中の期待を背負ってやってきました。体操の実力はもちろんのこと、その屈託のない笑顔とクリクリした目にボクもたちまち虜にされてしまいました。

今大会、彼女はここまで3種目(団体、個人総合、ゆか運動)に出場して、銀を三つ獲得。

個人総合ではチームメイトのナスティア・リウキンに優勝を譲りますが、その時のジョンソンの演技にボクは心を揺さぶられました。最後の種目であるゆか運動を残した時点でリウキン、中国の楊伊琳に続く3位。最終演技者として自分の番を待ちますが、ゆかでも素晴らしい演技を見せたリウキンを上回るのは既に不可能な状況でした。楊にも自分の持つ実力を出し切られなければ追いつくことはできません。

しかしそんな窮地の中、ジョンソンはゆかに立つなり、とびっきりの笑顔を浮かべました。メダルのためではない、ただ自分が満足できる演技をする、ボクの目にはそんな決意の表れに映りました。

彼女はミスを恐れないダイナミックな演技を見せ、存分にらしさを発揮。リウキンや他の年上の選手に見られる優雅さや繊細さはないものの、体中のバネをいっぱいに使って床を跳ね回り、16歳のショーン・ジョンソンそのものをはじけさせていたようでした。最後の着地を決め、もう一度にっこりと笑ったジョンソンを見た時は、自分でも目の辺りが熱くなるのが分かりました。

昨日行われた種目別のゆか運動では、一番初めに演技をする不利な立場だったにも関わらず、「身体の温まった状態でのぞめる」とポジティブにとらえます。プレッシャーをものともしない演技で高得点をたたき出し、トップに立ち続けますが、なんと最終演技者にわずか0.15点差で破れてしまいます。

電光掲示板を見たジョンソンの表情は一瞬凍りつきます。それでも優勝したルーマニアの選手と抱擁を交わし、彼女を追い続けるテレビ局のカメラに笑顔で応えながら退場していきました。

母国のファンやメディアから金以外では決して満足してもらえないプレッシャーを受けるジョンソン。きっと胸の中ではフラストレーションがたまっているはずです。それらを振り払うかのように、16歳の少女は堂々と胸を張りながら、人一倍大きく腕を振って行進していました。




世界トップレベルの実力を持つジョンソンは、地元アイオワ州西デモインにある体操ジムに通い、6歳の頃からトレーニングを積んできました。でも決して体操漬けの生活というわけではなく、地元の公立高校に通う普通の女子高生としての一面も持ち、将来はアイビーリーグに進学したいとも語っています。

中国男子代表として活躍したことのある喬良コーチは、23歳でアメリカに渡り、奥さんと二人で現在のジムを始めました。AP通信の記事によると、喬の指導方針はスパルタとはほど遠く、ジムでは初心者からジョンソンのようなエリート選手までが楽しく体操を学んでいるといいます。

ジョンソンのコーチとしての実績を買われ、全米代表コーチに抜擢された喬は、オリンピックでもしばしばテレビに映りますが、いつも穏やかな笑顔で選手達を迎えています。彼の力があったからこそ、ジョンソンが自分らしさを保ったまま楽しんで体操をしていられるのは間違いないでしょう。

ボクの好きな「クール・ランニング」という映画の中に、こんなセリフがでてきます。

金メダルは素晴らしいものだ。でも金メダルがなくて十分に感じていないのであれば、たとえ金メダルを獲っても一生十分に感じることはないだろう。

ジョンソンは19日の夜、種目別の平均台で最後の演技に臨みます。平均台はジョンソンが一番好きだと語る種目。第二の父親とまで彼女が語る喬コーチの故郷で、ジョンソンが最後の最後で金メダルを獲る姿をぜひ見たいものです。でもきっと彼女なら、一位だろうが最下位だろうが、とびっきりのスマイルで北京を後にするに違いありません。

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theme : 北京五輪
genre : スポーツ

tag : ショーン・ジョンソン アメリカ 体操 オリンピック 北京五輪 中国 リウキン

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マイケル・フェルプス

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Author:TomoyaS
アメリカ生まれ、日本育ち。日本で大学を卒業した後、アメリカの大学院でスポーツ学の修士課程を修了。現在はカリフォルニアの新聞社でスポーツライターとして活動中。

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