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大統領にできること

ロサンゼルスを横切る10号線を降り、街中にあるガソリンスタンドに立ち寄りました。

狭い店内に入ると黒人とラテン系の人々であふれ、和気あいあいと会話を楽しんでいました。そして片目の不自由な黒人男性が、何やらポスターらしきものを抱えています。

ボクがコーヒーを買うため列に並んでいると、彼が、「ボクが描いたんだ。一枚5ドルだけどどうだい」と尋ねてきました。

ポスターを見てみると、そこには数日前に大統領選挙に勝利したバラック・オバマ氏が描かれています。スピーチをしている姿や優しい笑顔など、なかなか上手なものです。どことなくキリスト教絵画に描かれる、イエス・キリストとタッチが似ているようにも見えました。

ボクは、「上手ですね、でも結構です」と断り、「オバマさんが大統領になれば世の中が変わりますかね」と逆に問いかけてみました。すると彼は、大きな笑顔を浮かべて、「もちろんさ」と。

ボクの後ろに並んで会話を聞いていた黒人女性は、「彼ならきっと変えてくれる」と言い、その絵を購入して帰っていきました。

アメリカの大統領は、日本の首相と違って、国民の直接投票(厳密には選挙人を介しますが)によって選ばれます。だからこそアメリカ人の間では、大統領というのは国民の誇るべき代表であり、リーダーなのだという意識が芽生えるのです。

でも大統領の権限がいかに強いとはいえ、一人の力で政治や経済を全て変えるというのは無理な話です。むしろ国民一人一人の行動や価値観こそが、国を動かす最大の原動力なのは、どの民主主義国家も変わりません。

大統領が持つ最大の力というのは、国民に希望や自信といった精神的活力を与えることです。1980年代に、レーガン大統領が「強いアメリカ」復活を訴え、国民の支持を得たように、今回の選挙戦では、オバマ氏が唱えた変革(change)と希望(hope)のメッセージが国民の心に深く響きました。

自分たちは常に人種という壁に苦しまされてきた。そう感じるアフリカ系アメリカ人たちが、オバマ氏の勝利演説を聞いてどれだけ励まされたことか。自分たちと肌の色が同じ人間が、ワシントンやリンカーンと同じ場所に立っている。その誇らしさが、彼らの目から流れ落ちる涙だったのではないでしょうか。



友人のアメリカ人が、オバマ氏が大統領に選ばれたことについて、「これでようやく他国に誇れる大統領になる」ともらしていました。普段は共和党支持者の彼が言うのですから、多くのアメリカ人が、彼と同じように感じているのは間違いありません。
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theme : アメリカ合衆国
genre : 政治・経済

tag : オバマ アメリカ 大統領 黒人 人種

comment

Secre

No title

日本ではマケインにはほとんど注目が集まらなかったよ。副大統領のなんとかって女性は結構ニュースになってたけど。
それにしても、大統領選挙の集会でアメリカ人が熱狂している姿にはいつも驚かされるよ。同じ民主主義でも日本とアメリカじゃあ概念も選挙に対する意識も全く違うからね。
彼がどんな手腕をふるうのか楽しみだ。

それにしても元気にやってるか?
時間できたらまたメールくれよ。
俺はそろそろ本腰入れて英語を勉強しようと、とりあえず読書から始めました。
スペンサーシリーズっていう探偵ものの小説なんだけど。
ぱっと見、文章は簡単なんだけど、辞書とにらめっこしてばかりでなかなか進まんよ笑

No title

>あだち
生活は元気にやってるよ。そっちこそメールよこさないけど、やっぱり仕事は忙しいの?

オレも第二外国語を勉強しようと思ってるんだけど、全く新しい言語っていうのは楽じゃないね。どうしても身に付けなきゃならない状況に身を置く必要がある。でもあだちならフランス語をいかさない手はないと思うんだけどな。

日本のメディアは4年前も民主党寄りの報道だったのを覚えてる。今回もオバマさんの存在感で、マケインさんにはほとんど注目が集まらなかったんだろうね。アメリカ大統領のスピーチを聞いていると、大統領と首相に求められる資質の違いを感じる。人々が感動するような演説なんて、日本じゃ滅多にないからね。

近いうちまた詳しく近況をメールするよ。

No title

オバマ大統領の登場は日本人が感じるよりはるかに大きい感動を国民に与えたんですね。
そういえば日本の政治家が、何か特定のバックグラウンドの象徴として意識されることはめったにない気がする。

選挙後に日本の新聞に選挙人獲得の分布地図が載っていましたが、南部の州は見事にほとんど共和党でした。そういうところは変わらないんだな、と感じました。

No title

>エルルさん
人種が人々のアイデンティティを強く形成するアメリカでは、黒人大統領の登場は大きな進歩だととらえられています。多様性を内包する社会ゆえに、政治家が、各グループや思想を代表する存在となることがあります。こうした人々の帰属意識に基づいた政治をアイデンティティ・ポリティックス(identity politics)と呼ぶようです。

今回の選挙では、これまで共和党だったいくつかの南部州で、オバマ氏が勝利を収めました。黒人の投票率のアップが大きな要因だと思われます。
プロフィール

TomoyaS

Author:TomoyaS
アメリカ生まれ、日本育ち。日本で大学を卒業した後、アメリカの大学院でスポーツ学の修士課程を修了。現在はカリフォルニアの新聞社でスポーツライターとして活動中。

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