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天使の舞い降りた金曜日

マイキーがわが家にやってきたのはもう14年前のことになります。

アメリカから戻ってきたボクの家族は、犬を飼いたいという長年の夢を実現させました。

ペット雑誌を読みあさり、テレビで犬特集が流れていると、家族一同かじりついて見ていました。

そしてやってきた一匹の黒色ウェルシュ・コーギー。

それからは毎日がマイキーとの想い出の日々でした。

ボク達が学校から帰ると、2階に寝ていても、大急ぎで階段を滑り落ちるように降りてきて、玄関で出迎えてくれました。

犬が飼い主に似るというのは本当で、オスのマイキーはわが家に女性が来ると、興奮した様子で飛びついていきます。

誰に対してもお腹を見せる人なつっこさを持っていたため、番犬としては役立たずでしたが、それも愛嬌。

DSCF1095.jpg


ボクが3年前アメリカに来た時、マイキーは11歳。犬としては既に高齢で、肥満気味(これも飼い主に似た?)だったこともあり、少し心配でした。でも、すぐに会いに戻ってこられるだろうと、その時は軽い気持ちでいました。

ところが、アメリカと日本の距離は思ったよりも遠く、結局三年間で帰国できたのは一度きり。

そして先日、仕事をしている最中、日本にいる父から電話がかかってきました。

「マイキーが亡くなった。」

アメリカに来てからずっと覚悟はしていました。

ボクがいない間に死んじゃうんじゃないか。

それは心のどこかにいつも抱えていた不安でしたが、それがいざ現実になると、電話越しに伝えられた言葉に実感が湧きませんでした。

涙がでない、悲しいという気持ちも湧いてこない。

そんな自分が情けなくなりました。

愛犬が死んだのに涙一つ流せないのか。家族と遠く離れて暮らすってのはそんなにみじめなことなのかと。




その一週間後の金曜日、二歳離れた弟から英語で書かれた一通のE-mailと二枚の写真が届きました。

数カ月前、テネシーからカリフォルニアに引っ越すのに、その弟と二人でアメリカ横断の旅をしました。

旅の途中から、弟の英語力を伸ばすために、二人での会話を英語で行うように決めました。

それ以来、彼が日本に帰ってからも、二人で話す時はいつも英語です。

中学一年生の時、弟と二人でアメリカ人の家に一ヶ月間ホームステイをしたことがあります。

その時にも、日本語で話すのはやめようという約束をしました。そして二人でそれを守り通した。

子供の頃からずっとケンカばかりしていましたが、その時はケンカすら英語でした。

ボクにとってはその時二人で守り通した誓いが、今でも誇りとしてボクの英語力を支える柱になっています。

今回の旅では、久しぶりに生活をともにする中で、お互いの考えていることがちょっと分かり合えたように思います。

案外、英語で話していたのが、お互いの照れを隠すのに役立ったのかもしれません。

IMG_1541.jpg





その弟が送ってくれたメール。

まずは彼の就職が決まったという知らせ。

ボクは彼が直接報告してくれたことに喜びを感じました。二人で旅をする前なら、きっとなかったことです。

と同時に、弟が自分で道を見つけて踏み出してくれたことが何より嬉しかった。

それは自分自身が成功した時に感じる喜びよりも、ずっと温かい気持ちでした。

小さい頃は弟が自分よりも成功するのが嫌で、それを動機に自分も負けじと頑張っていました。

かけっこでも、野球でもバスケットボールでも、勉強でも。いつもボクの中では競争相手でした。

ただ今では弟に輝いてもらいたい。そのためにボクができることを何かしてやりたい。自分の成功なんてどうでもいい。

初めてそう思うことができました。

自分にとって大切な人が幸せになることほど幸せなことはありません。




弟から送られてきた二枚の写真。一枚目はマイキーが亡くなる直前に撮った写真。

IMG_0295.jpg


歳をとって痩せてしまったので、逆にとてもこれから死ぬとは思えないほど若々しく見えます。

二枚目はわが家に新しくやってきた二匹のメンバー。哲学者アリストテレスにちなんで、アリスとテレス。一番下の弟が名付けたそうです。

IMG_0668.jpg


新しい犬がやってきたとは知らなかったボクはびっくりしましたが、二匹のあまりに可愛い姿に、いつの間にか涙があふれ出ていました。

これまで出てこなかったものが、一気に吹き出しました。

新しい二匹の写真を見たことで、マイキーはもういないんだという実感が湧いてきたんだと思います。




アメリカに来て三年。ただ一人でひたすら走り続けてきました。

でも、心のどこかにいつも寂しい気持を抱えている自分がいることには気付いていました。

家族と離れ、大切だった彼女も失った。

それを埋めるためには、走り続けるしかありませんでした。

でもようやく自分の抱いていた夢が現実になり始めた今、それ以上に大切な何かに気付き始めるようになりました。

たとえ自分の夢が実現しても、それを分かち合える人が側にいなければ、きっと心は空っぽのまま。夢や社会的な成功は、それが実現しなくとも幸せを感じられている人にしか幸せをもたらさないのだと。

アメリカに来て、そうした大切なことを感じられるようになっただけでもよかった。だから後悔は一切ありません。

早くわが家の新しい天使たちに会えるよう、今の生活をしっかり楽しんで、胸を張って帰国したいと思います。

以前は渋々だった犬の散歩も、これからは自らすすんでいけると信じて。
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theme : 小さなしあわせ
genre : 日記

tag : マイキー コーギー アリストテレス 日本 アメリカ 英語

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Author:TomoyaS
アメリカ生まれ、日本育ち。日本で大学を卒業した後、アメリカの大学院でスポーツ学の修士課程を修了。現在はカリフォルニアの新聞社でスポーツライターとして活動中。

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