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スポーツ記者になるには

新聞に掲載する顔写真を撮影するためにオフィスにやって来た高校生に訊かれました。

「どうすればスポーツ記者になれるの?」


突然の質問にボクもどう回答していいのか分からず、「大学に行ってしっかり勉強したほうがいいよ」などと適当な返事しかできませんでした。

ボクはこれまでスポーツ記者になろうと心に決めて歩んできたというよりは、単に楽しいという思いだけで取材をして記事を書いたり、写真を撮ったりしているうちに今の仕事にたどり着いたという感じなので、あまり深く考えたことがなかったのかもしれません。

でもアメリカにも日本と同じように、就職活動やキャリアアップのノウハウが存在します。

以前、日本の新聞社に就職した友達とメールでやり取りをしていて、日米のキャリア・システムの違いを感じました。

彼は働き始めてから初めの数ヶ月を、企業理念や新聞業界の仕組み、取材方法を学ぶ研修に費やしたといいます。一時は販売店に住み込んで実習を行ったそうで、その徹底ぶりに驚きました。ボクもそれだけのトレーニングを受けられたら嬉しいのですが、残念ながら不況のアメリカ新聞業界ではそんな贅沢は到底望めそうにありません。

しかし、何より大きく違うのが、アメリカには新卒という概念がないということ。日本の企業社会は、大学を卒業したての労働力を新卒と呼び、彼らを一斉に大量雇用し、まっさらな状態から経営者へと育てていく制度ができあがっています。

アメリカの企業にはそうしたシステムは存在せず、むしろ大学を卒業したばかりの職務経験に欠ける若者は、なかなか仕事が見つからず苦労することがあります。だから学生たちは、就職に有利になるようにと、大学もしくは高校時代から積極的に実務経験を積もうとするのです。

例えば、新聞記者になりたいという目標を持った学生は、大学でジャーナリズムやコミュニケーションを専攻し、授業で業界の仕組みやジャーナリズム論、取材の基本などを勉強します。それに加え、現場での経験を得るため、学生新聞で働いたり、地元の新聞社などでインターンをこなします。

日本でもようやく普及してきたインターン制度ですが、アメリカでは大学のカリキュラムに組み込まれるほどに発展しています。学生にとっては、実務経験を得ると同時に、仕事へのやる気や適性を見極める大切な期間です。うちのような小さい新聞社でも、しょっちゅうインターンの学生が出入りします。

そのため、新聞社も仕事の基本を身に付けた即戦力しか雇おうとはしません。ボクは大学院の2年目に記者を志したため、インターンはもちろんのこと、ジャーナリズムの授業すらほとんどととることができませんでしたが、独学で基本を学び、学生新聞で辛抱強く働き続けた実績をもとに雇ってもらうことができました。

そして大学を卒業したばかりの記者は、まずは田舎の小さな新聞社で働き、更なる経験を積んでから徐々に大きな新聞社へと移っていくのが一般的なキャリアとなります。だから、転職は当たり前というか、一社でしか働いたことのない記者にはあまり会ったことがありません。

こうして書いてみると、ボクは決して王道を歩いているとは言えませんが、それでも大学院生だったボクに、記者という新たな道を歩ませてくれたアメリカ社会の柔軟さには感謝しています。きっと日本にいたらありえなかったことです。

年齢や肌の色に関わらず、誰もが成功するチャンスを与えられるというアメリカン・ドリーム。もちろん現実はそんなに甘くありませんが、その息吹は確実に感じることができます。
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theme : 海外で働く
genre : 就職・お仕事

tag : アメリカ 記者 日本 新卒 キャリア 大学 学生

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TomoyaS

Author:TomoyaS
アメリカ生まれ、日本育ち。日本で大学を卒業した後、アメリカの大学院でスポーツ学の修士課程を修了。現在はカリフォルニアの新聞社でスポーツライターとして活動中。

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